かくて名刺は生まれた

御主人様は眼鏡橋で歌い出してからも、休みの日は、市内のあちこちの公園で歌ってみたりしてた。
眼鏡橋以外にも良い場所がないか捜していたんだろうね。
そんなある日、平和公園で歌ったときのことだ。

  説明しよう(^o^)
    平和公園とは彫刻家北村西望作の平和記念像がある公園で
    長崎の原爆投下地でもある。
    ツアーで長崎を訪れた観光客は必ずここを訪れているはず。

御主人様が公園のベンチに腰掛けて歌うんだけど、いかんせん公園が広すぎる。
目の前は運動場状態(^o^)
観光客は団体で隊列を組んで、バスガイドに先導されてザッザッザッとやってきて、
記念撮影をチャッチャッと済ませると、またもやザッザッザッと帰っていくという、
何だか場所柄に似合わぬ殺伐とした風景が繰り返されるのでした。(^_^;)

そんな訳で、だあれも聞いてくれない状況。
ご主人様も、やる気が失せて、帰ろうかなあと考えていた矢先に、
「ここに座っても良いですか?」との女性の声。
見上げると可愛らしい娘さんが立っている。
「どうぞどうぞ」と二つ返事で席を空けるご主人様。(^_^;)
大人しそうで可愛い子だったなあ。真っ黒な瞳が印象的なんだわ。これが(^0^)。
話を聞くと、短大生らしい。
実家は佐賀県に近い北松にあるらしく、この春ひとりでアパート暮らしを始めたんだって…。
友達が少なくてカラオケにも行ったこと無いって言ってたなあ。
ご主人様、柄にもなく、急に、さだまさしとか、かぐやひめとか囁くように歌い出して可笑しかった。(^0^)
一時間くらい色んな話を聞きながら歌ってたかなあ。
あまりに清純すぎてご主人様も変なことは考えなかったみたい。
ご主人様、名前も名乗らずに立ち去っちゃった。
おいら、もうちょっと彼女の横にいたかったけどね。(^0^)

ご主人様、その話を友達にしたら、みんなから
「馬鹿だなあ、そんなときは、携帯電話のメモでも渡してくれば良かったっさ」
と冷やかされてた。
それからだ。
ご主人様が携帯番号の入った名刺を持ち歩くようになったのは。(^0^)
まったくもう…(^0^)

H.12.02.16

 

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